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行政視察報告②第2日・岡山県新見市哲西町)

第2日目 岡山県新見市(哲西支局)「複合施設 きらめき広場・哲西 建設事業」
     出席者  新見市哲西支局長      岡田浩司
            新見市議会事務局長     矢田貝眞
            新見市哲西支局地域振興課長 池田敏雄(司会)
             新見市政策顧問       深井 正(元哲西町長)
                       (NPOきらめき広場事務局担当理事)
             新見市哲西診療所長     佐藤 勝
                    (岡山大学大学院医歯薬学総合研究科教授)
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建設時期
   平成12年6月着工~13年10月竣工(哲西町の時代に建設・17年に新見市に合併)

【建設に至る経緯】
・整備のきっかけ・・・・H9年からH10年の2カ年を費やして各種団体やアンケートによ
          る住民の意見聴取、まちづくり審議会での審議、議員の参画も得
             て策定したH11~H20までの旧哲西町の哲西町総合整備計画
・住民アンケート調査(中学生以上の全住民を対象)結果で建設したい施設として、
          診療所(66.2%) 新しい役場庁舎(34.0%) 温水プール(24.5%)
          保健福祉センター(20.2%) 図書館(16.0%) 文化ホール(7.3%)
          その他(美術館・博物館)(23.5%) の結果を得る。
  アンケート結果をもとに、「真に必要な施設は何か」などを60数回に及ぶ検討会で 協議し、2年9ヶ月を費やして、庁舎を含めて保健・医療・福祉の総合センター・生涯 学習センターのそれぞれの機能を持った複合的・一体的な、しかも大規模災害の場合の避難場所として使えるような構造をもった施設とすることを決定。
・基本コンセプト
 ①子供からお年寄りまで、誰でも気軽に利用できる親しみやすい施設であること。
 ②隣接する道の駅鯉が窪と併せて、賑わいや活気の生まれる施設であること。
 ③哲西町の行政、文化活動のシンボルや地域のランドマークとなる施設であること。
 ④光、風、水、緑を活かして周辺の自然環境に調和した施設であること。
 ⑤お年寄りや身体障がい者に配慮した、優しい施設であること。
 ⑥災害時の安全を確保するための防災拠点となる施設であること。
 ⑦省エネルギーやメンテナンスに配慮した施設であること。
※町の決意
 住民が望む施設をつくろうと考え、アンケート回答にあった殆どの施設を一つ屋根の下に集約して整備し、その代わりこの事業を最後のハード事業と位置付け、完成後は施策の軸を、保健医療を中心とした町づくりへ移す「ハード」から「ソフト」への大転換を住民合意として複合施設整備(小さな拠点)へと踏み出した。

【きらめき広場の概要】
・敷地面積 23,000㎡  建築面積 6,020㎡
・まちづくりの基本理念「保健医療を中心にすえたまちづくり」に従い、
  内科診療所・歯科診療所・・・・・国道入口に配置
  保健福祉センター・図書館・・・・・正面玄関の両側に配置
  文化ホール・生涯学習センター、役場(現市役所支局)
   を回廊式(一周150m)に一つの大きな屋根の下に配置した「小さな街」を思わせる構造。
   廊下の幅を広くするなど住民要望を取り込んだ設計。
・隣接する道の駅「鯉が窪」との一体化により外来者との交流場、食事や買い物、
 くつろぎ機能も併せ持つ(駐車スペースは普通車換算で約200台)
・200Kw の自家発電装置・貯水タンク(30t)・飲料水生成浄水機を備えて、防災拠点としても機能
・施設完成後は、近くに消防分署、警察官駐在所も引っ越し

【施設の機能】
・一周できる回廊で結んだことにより、各セクション間を簡単にかつ自由に行き来することが可能となり、常時連携が可能
 (この施設の最大のメリットであるワンストップサービスの提供)
・保健・医療・福祉・教育・文化・行政など様々な機能が備わっているので、住民活動の拠点として活用され、人々の集まりにより交流が生まれ、賑わいが創出された
・市営バスや福祉バスの発着場所として、交通結節点機能を有する

【各施設の管理・運営】
・内科診療所・・・・・・全額市出資の医療法人。医師2名で経営
         ヘリカルCTはじめ、地方病院の外来並みの設備
・歯科診療所・・・・・・全額市出資の医療法人。診療台3基を装備し、医師1名で経営
※診療所は、24時間365日何でも診るという地域医療を実践し、地域包括ケアの充実に取り組んでいる
・図書館・・・・・・・・・・指定管理者NPOきらめき広場による年中無休運営
     蔵書約68,000冊、利用登録者数4,000人、年間貸出数80,000冊
・文化ホール・・・・・・哲西支局の直営管理
         可動式収納客席200席、舞台前フロア100席、計300席
         年間利用回数は62回(H24年度実績)
・その他・・・・・・・・・・哲西支局の直営管理
         プレイルーム・機能訓練室、栄養改善室、調理実習室、研修室、
         創作活動室、音楽室、和室

【建設費用と財源】
・総事業費・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2,123,634千円
         委託料(設計・管理)   54,600千円
         工事請負費    1,833,245千円 (以下単位千円)
          建物         1,673,481
          外構・駐車場      159,784
         備品費         44,145千円
         医療機器購入費    189,634千円
         事務費          2,000千円
         公有財産購入費          0千円(土地は取得済み)
・財源内訳・・・・・・・・地方債      1,862,200千円 (以下単位千円)
          過疎対策事業債    541,100(交付税算入率70%)
          理事経済対策事業債  151,500(交付税算入率70%)
                        
地域総合整備事業費  821,400(交付税算入率55%)
          一般単独事業費    348,200(交付税算入率00%)
         県振興資金       30,000千円
         一般財源       230,456千円
         その他            978千円
    計         2,123,634千円

【施設維持管理費・平成24年度】
・合 計  12,090千円
・電気代   4,876千円(医療センター  996 庁舎等 3,880)
・灯油代   4,334千円(医療センター   0 庁舎等 4,334)
・ガス代   1,244千円(医療センター  1,211 庁舎等  33)
・点検料等  1,636千円(医療センター  520 庁舎等 1,116)

【総括】
・「モノ」と「ひと」・「意識」が一体となってはじめて「小さな拠点」が完成するとの考えから、施設の構想に住民の意見をベースとし、さらに施設設計に住民が参画するという仕組みを通じて「自分たちの家を自分たちで造った」という意識が芽生え、人々の地域への帰属意識や活動への参加意識が高まり、施設整備の過程から生成されたソフト面での大きな成果
・完成した複合施設が物理的隔壁の無い状態で各セクションが繋がったことにより、セクション間の感覚的隔壁も取り払われ、連携・連帯の一体感を醸成した

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by kangaeru_230 | 2013-10-24 09:01 | 議会報告
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